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デザインGO! #13
「食べる」のぜんぶ (ZENB)
コンセプトをネーミングに。
携帯でインスタや YouTube、Twitter などを眺めていると様々な広告が入ってくる。その中で気になったのが豆100%のヌードル「ZENB」というブランドだ。
小麦粉や添加物は使わずに、黄えんどう豆だけで作った麺は、食物繊維、タンパク質が豊富で糖質を抑えた健康に良い麺。麺類なのに健康的って、私には夢のような食材だ !
外装のデザインもシンプルで洗練されたデザイン。
なんだかとても興味をそそられる。
そこで注文してみることに。
数日で箱に入った商品が届いた。
シンプルな箱のデザインが商品の品質の良さを感じる。箱を開けると一転してかぶや大根、かぼちゃなどの野菜が大胆に描かれたイラストが目に飛び込んでくる。
このブランドは、豆 100%の麺だけではなく様々な野菜を使った商品を取り揃えているからだ。その商品は全て野菜の芯や皮など捨てる事なくまるごと使用しているそう。
なるほど、ブランドのネーミング「ZENB」は野菜をまるごと “ぜんぶ” 使っているからなんだ !
麺を箱から取り出すと底面にブランドのコンセプトを説明する文章が書かれている。このパッケージデザインからもメッセージ性の高い商品であることが伝わる。
フードロスの削減
人と社会、地球の健康に貢献
大変興味深いコンセプトの商品だったので調べてみた。
クリエイティブディレクションは、佐藤卓さん。2020 年度のグッドデザイン賞を受賞している。
ZENB は、ミツカンの「ミツカン未来ビジョン宣言」に基づいて生まれた。植物を可能な限りまるごと使い、おいしくてカラダにいい、人と社会と地球の健康に貢献する、新しい食生活を提案するブランドだそうだ。
野菜の残さをなくせばフードロスの削減に繋がるからだね。
しっかりとした企業ビジョンに基づいてブランディングされたデザインは、説得力があり安心して商品を購入できる。
また、商品のコンセプトに共感できればリピートにもつながるだろう。コンセプトワークの大切さを改めて認識した。
D2C でお客様との
エンゲージメントを強化
ZENB は D2C ブランドで EC チャネルのみで販売している。ミツカンなら販売ルートはいくらでもあるのになぜスーパーやコンビニに卸さない販売方法を選んだのか。それは、商品の背景やストーリーをお客様に直接伝えること。
お客様との関係を双方向につなぐ事で興味を引き付け愛着を深めることに注力したからだ。
ホームページのレシピの紹介には、ZENB のヘビーユーザーが Instagram や Twitter に投稿したレシピも掲載しているそう。
D2C は一般的に顧客の集客が難しいとされるが、顧客の声を積極的に取り入れた EC サイトの運営や広告、更には商品開発の試みがエンゲージメントを強化し新しいファンへつないでいるのだろう。
たまたま見た広告から購入したこのブランド、調べれば調べるほど気になる学びの多い商品だった。
※D2C とは「Direct to Consumer」の略で、
「製造者がダイレクトに消費者と取り引きをする」という意味。
【箱の底のコピー文】
肉食でも、ベジタリアンでもない。
自然の恵みを、ぜんぶまるごといただくというあたらしい食の考え方。
おいしいから無理なく続けられる。
体にも地球にもやさしいから、胸を張って未来へつないでいける。
「食べる」のぜんぶを、あたらしく。
あなたも今日から、はじめませんか?
THE 3rd FOOD
ZENB ってつまり「第 3 の食事」
(文:アライ/企画デザイン課)